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MMデンタルクリニック スタッフ日誌
みなとみらいにあるMMデンタルクリニックのスタッフの、日々のつぶやき
PRDレポート
こんにちは MMデンタルクリニック理事長、勝山です。
今月9日より米国、ボストンにて開催されたPRD国際シンポジウム(International Symposium on Periodontics and Restorative Dentistry)にて発表するため、渡米してきました。

このシンポジウムは3年から4年に1回の割合でボストンで開催されてきました。ちょうど、私が1991年よりハーバード医学部のBeth Israel Hospitalという病院に勤務していたころに多くの日本の先生方がそのシンポジウムにいらしていたのが、最初のきっかけです。

当時は海外演者ばかりで(とは言っても、あちらでは日本人が外国人ですが…)、日本からのスピーカーは一人もいませんでした。その後、約10年ほど経過してから日本からもスピーカー招聘されるようになりました。ボストンは住んでいたこともあり、思い入れも深い街でもあります。

今回は、日本のクインテッセンス出版社のご推挙により、2名の演者の一人に選んで頂きました。多くの国際シンポジウムに呼んで頂きましたが、このシンポジウムに招聘されるスピーカーは歯科関連の方なら皆知っている教科書を書いているような高名な先生方ばかりです。その一人に加えてもらったのは、非常に名誉な事であり、同時に大きな責務を負う事にもなります。
 
今回のシンポジウムでは金曜日の午後にデンタルインプラントに対する生物学的および補綴的アプローチというセッションで、特に上顎前歯部の審美性をいかにインプラントで獲得し、長期的に安定させるにはというテーマでした。

スピーカーはスイスから3人、アメリカから2人、そして日本またアジア地域から私一人と世界のインプラントの力関係を示す構成でした。会場は約2000名を収容する大きなホールでしたが、朝8時から著名なスピーカーが登場した事もあり、満席の状況でした。私は最後のスピーカーとして、デイスカッション前に講演させて頂きました。デイスカッション前という事もあり、全スピーカーが揃った状況で話す機会を得たことは大きなチャンスであったと同時に挑戦でもありました。

話の趣旨は、上顎前歯部は歯を失う事により、骨が失われ結果として軟組織も失われます。すなわち、インプラントを入れて失われた審美性を獲得することは多くの場合、非常に難しくなります。特に1990年代はじめに骨造成を用いて治療した症例を口火として、その長期予後と審美性の変化についてフォローアップを行ないました。

近年の診断技術の進歩により、骨造成を行なった部位の長期的予後の評価を行なうとともに、治療コンセプトの変遷と将来的な治療法についてデイスカションしました。

いづれにせよ、上顎前歯部の治療は患者様ならびに臨床医にとって魅力的な治療法であると同時に、容易に失敗や審美的合併症を引き起こしやすいと言えます。また、その失敗と合併症はいったん起こった場合にはリカバーすることが極度に困難な場合に遭遇するということにもなります。そのため、月並みですが十分な診断に基づき、的確な治療術式を選択する事が将来的予知性を向上させる上で不可欠と言えます。長期経過をベースに今後さらに確実性を向上させたいと思います。

また、このセッションのスピーカーはこの分野でのF1ドライバーと言える方々です。今回は力不足を感じましたが、今後さらにステップアップしたいと思います。


左から私 (JAP)、U. Grunder (CH), D. Buser (CH), E. Lee (USA), K. Meyenberg (CH), B.Langer (USA)
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